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お殿様は急に侍従者に言いつけた、鷹狩りに行くぞ(目黒区辺り) 遅れをとってはいかんと取り急ぎ殿様の
後に続く。茶屋坂辺りでお殿様は腹が減ったと言い出した、狩りの準備をするのが精一杯、昼の用意迄は
出来なかった、供の者が躊躇している間に何処からともなく美味な匂い、お殿様すかさずこの匂いはなんや
ねん、そこの茶屋でサンマを焼く匂いです。おーっお それでいこう またまた供の者躊躇する、魚と言えば
タイしか食べなかったお殿様、ましてや下魚なるサンマを丸ごと食べさせたとご家老に知れたらどうなる事や
ら・・・ そこは常日頃、供の者を気遣うお殿様、心配致すでないお昼の事は家老に予からうまーく申しておく。
それからと言うもの、お殿様は鷹狩りの度に富士山の良く見えるここの茶屋を利用した。
お城では手の込んだ料理の数々、しかも毒見した後の冷えてしまった食事が続いた とある日、茶屋で塩を
ふりかけ立ち込める煙の中で焼きあがりアッチッチーサンマを食したのを想い出した。厨房方に告げたサンマ
が食べたい。お城では一度も口にはされた事がないサンマ、厨房方は慌てた しかしお殿様の告げでは
致し方ない、早速魚河岸より最上のサンマを取寄せた小骨も多く脂も多い、骨が喉につかえたら一大事、脂は
身体によくない、このままではいかん中骨を取り除き小骨は毛抜きで抜き、腸等はもってのほか綺麗に取り
除き脂分は蒸して脱脂する。半ばボロつき加減なサンマと相成ってしまった。
厨房方、 殿 サンマをお持ちいたしました
鷹狩りで丸ごと食べさせた侍従者等は玉の汗を拭きながら首筋をさすり、殿の表情を伺っている。
お殿様曰く いつぞや食したサンマとは大分違う・・・、このサンマ何処のじゃー 日本橋魚河岸でございます。
っうんっむー お殿様は呼吸を整えいつぞやの供達に目配せをし 一言 サンマは目黒に限る。
落語で有名なりし目黒のサンマの一説、小生流にアレンジしちゃーいました。
そんなこんなで目黒のサンマの取材と相成った。
食べに行きましょう